この本の目的は自分に気づくことである。
自分の小さな「箱」から脱出する方法は、
自分を変えるための本です。
あなたの周りでうまくいかない関係があったとき、
「もしかしたら、人間関係を悪くしているのは自分なんじゃないか」と、
自分自身で気づくための本でもあります。
- 新しくリーダーになる人
- 人間関係を良くしたい人
- 変わりたい人
いずれにしても、
自分自身で変わりたいと思ったときに役に立つ本になるでしょう。
しかし、1か所疑問に思うところがありました。
相手が箱に入っていたら?
チャプター10の最後の方
コーラムの疑問が出てきます。
誰かに絶えず箱の中に押し戻されてしまう場合に、どうやったら箱の外にいられるのか
本文p107
この疑問に対し、
バドの答えは合っていないんじゃないかと違和感を感じました。
なぜなら、この時コーラムが考えていることは、
自分は箱の外にいるのに、相手が箱の中にいるせいで自分も箱の中に入ってしまうじゃないか
ではないかと考えるからです。
この例は、ケイトとブライアンの関係そのままだと思います。
ケイトはブライアンに対し、箱の中に入っています。
しかしブライアンは、始めから箱の中に入ってはいないと思うのです。
ブライアンからしてみれば、訳が分かりませんよね?
いつもいつも、何かしらの小言を言われ、何でも否定し、関係を悪くする。
そんな状態の人が家族にいるんです。
どうして普通になれるでしょうか?
どうして箱の中に入らないでいられるでしょうか?
この問題について、決定的な答えをこの本は持っていません。
なぜなら、自分を変えるための本であって、
相手を変えるための本ではないからです。
自分のせいにする人には向かない本
箱に入ってる人に一度しか合わない人ならいいでしょう。
しかし、パートナーや家族、離れがたい人の時はどうしたらいいのでしょうか?
- 相手を変えられないから、自分が変わるしかない
- 全て自分次第なんだ。
- 自分が変われば、我慢すれば、コントロールすれば、問題解決だ。
本当にそうでしょうか?
あなたの本当の心は?気持ちは?したいことは?
あなたはあなた自身を裏切る必要がありますか?
他人を考え続けて、思い続けて、
それでもどうしようもない状況だってありますよね。
「どうやっても、あなた悪くないでしょ?」
あなたは悪くないのに、
変わる気がない相手に対して尽くす時間はもったいないです!
- 自分はよくできてる!
- 問題なのは周りの連中だ!
と考えてる人にも、
この本を勧めるのはやめた方がいいでしょう。
主人公のコーラムは「会社の研修」という、
必要に迫られて箱の話を知ることができました。
やらなければならない環境があったおかげで、
変わることが可能だったのです。
しかし、一般の人に箱の話をしても、
無駄だとしか言いようがありません。
だって、自分は悪いと思っていないのだから。
そんな人に、優しいあなたの貴重な時間を使うのはやめましょう。
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